【調味料と健康】塩分って本当に腎臓に悪いの?
本日は、塩分は腎臓に悪いのかについてお話します。
- 「腎臓に負担がかかるから減塩する」
- 「高血圧の人が減塩する」
などの考え方があると思いますが、はたして本当に塩は人体にとって悪者なのか。ここでは、あくまでも東洋医学の視点でお話したいと思います。
東洋医学というのは、この日本国内で1500年以上の歴史があります。加えて東洋医学とは事実の結集で、うそがありません。そのため東洋医学の知恵も取り入れたほうが皆さんの健康に役立つと思います。
東洋医学では、塩は腎臓を養う
東洋医学では、塩は腎臓を養うと考えられています。
東洋医学には「色体表」というものがありますが、その中の五臓の項目では、上から肝臓の肝、心臓の心、消化器系の胃腸とか脾臓、あとは肺、そして今回の話の腎臓系、となっています。
同様に色体表の五味のラインを見てもらうと、上から酸味、苦味、甘味、辛味、鹹(しおからみ)とあります。鹹は塩辛いという意味ですが、この鹹は腎臓を養う反面、腎臓を痛めつけるということです。
「塩」とは精製塩ではなく、「粗塩、岩塩」を指している
東洋医学で塩は腎臓を養うと考えていますが、それはただの精製塩ではなく、粗塩・岩塩を指しています。そして痛めつけるほうの塩が精製塩です。粗塩・岩塩は腎臓を養うと考えてください。
一般的なスーパーで売っている醤油などの調味料は、基本的に精製塩を使っていると思います。いわゆる食塩です。食塩は安く、醤油などもそれを原材料として作っていることが多いため、気にされる方は家で料理する時は粗塩・岩塩を使って、食卓塩、食塩を使わない。加えて調味料も自然食品店などに行って、本物の醤油や味噌などを買ったほうがいいと思います。
人のカラダと塩は密接に関係している
人の体は基本的に塩辛く、塩分は必要です。汗もしょっぱい、涙もしょっぱい、血液もややしょっぱい。体には塩分、ナトリウムが入っています。つまり人体に塩は不可欠です。
もともと私たちは海から陸に来たため、そういった意味でも塩とは密接に関係しているということです。
腎臓の機能を高める方法
腎臓の機能を高めるにはどうしたらいいのでしょうか。西洋医学では、腎臓の機能は高まらないと考えられています。そのため治療としては、降圧剤など血圧を下げたりする、腎臓に負担がかからない薬を与えるくらいしかありません。
しかし東洋医学からすると、先ほどの鹹が腎を養うなど、どうやったら腎臓が強くなるかという発想がありますので、それをお伝えしたいと思います。
漢方薬
まずは漢方薬です。
- 八味丸(はちみがん)
- 六味丸(ろくみがん)
この辺りが代表的な漢方です。その他にもいろいろありますが、漢方薬を試したい方は、東洋医学を専門としたお医者さんや、東洋医学を専門とした薬剤師に相談されて、ご自身に合った漢方を飲まれるといいと思います。
垂直方向の運動
東洋医学では、「老化は腎の弱りから」と言われています。お年寄りになると腎臓が弱ってきて、夜間頻尿や髪の毛が薄くなったり、コシがなくなったり、脱毛したり、白髪になったり、耳が遠くなったり、耳鳴りがしたり、骨が弱って骨粗鬆症になったり、あとは冬に極度に寒いと感じるようになったりします。また唾液とも関係しており、腎臓が弱った状態になると唾液が出なくなるため、お茶や水がないとご飯が食べられないという状態になることもあります。
このように腎臓が弱るといろんな症状が出てきます。お年寄りの方は腰が曲がっていったり、背中がやや丸まっていったりしますが、あれは重力に抗せなくなっているということです。つまり、腎が弱ると重力に抗せないので、だんだん曲がっていくのです。つまり重力に抗する運動をすると、腎臓を高められるということです。たとえばスクワットや階段を登るといった運動です。あとは坂道を上る。そういうことで腎は高まります。
唾液を出す
先ほど腎臓と唾液が関係していますとお話しましたが、最も若い人は誰かというと赤ちゃんですね。赤ちゃんは唾液がたくさん出ています。腎の機能がとてもよい状態だからです。
赤ちゃんは、体の中の大体80%が水です。お年寄りになってくると60%ほどになってきますが、これは腎臓のパワーの差によるものです。腎がしっかりしていると、水分を保持することができます。アンチエイジングは腎機能を上げるので、ある意味赤ちゃんに近い状態になるのです。
唾液を出すと口の中が赤ちゃんに近づくことになるので、さっきの重力に抗すると似ていますが、唾液から腎臓にアプローチしていくことになります。よく噛む、梅干しを食べる、そういったことで唾液をたくさん出していただければと思います。
水を飲みすぎない
体は水の塊です。赤ちゃんで80%、お年寄りで60%というように、人体には水分が多いです。そのため「たくさん水を飲んで常にきれいにしたほうがいい」という理論もありますが、たくさん水を飲むということはたくさん出すということです。
体の中の水の量は一定ですし、脳と腎臓でしっかりコントロールしていますから、のどが渇いたら飲めばいいのです。必要以上にたくさん飲むと、これ以上はいらないとなって、外に排出しようとする。そうすると腎臓に負担がかかるわけです。
のどが渇いたら飲んだらいい。これが基本的な考え方です。熱中症の予防などで言われる、お年寄りの人は感覚が鈍っているから夏場はたくさん飲んだほうがいいという考えもありだとは思うんですが、基本的な考えとしては飲みすぎないほうがいいです。
食べ物は海藻や豆、ごま、種子類を!
海藻というのは、わかめなどです。豆はとくに小豆や黒豆がいいです。ごまは、白ごまより黒ごまがベターだと思います。種子類はひまわりの種やナッツ類で、食べると腎機能を上げると東洋医学では言われております。
睡眠不足を避ける
東洋医学では、寝ている間に腎臓のパワーが充電されるとされています。睡眠不足は腎臓に負担をかけるのです。携帯電話でいうと、充電していないのに次の日フルに使っているのと一緒なので、体が悲鳴を上げますよね。そのような状態です。
そして、冷やさないこと。
先ほどの色体表でも、腎臓と冬が対応しているとあるのですが、腎臓は冷やされるのが苦手です。実際に、腎臓が弱くなると足が冷えるというお年寄りの人が多いです。そのため、腎臓の機能を高めるにはお灸がオススメです、あと鍼灸、鍼治療もいいと思います。
腹式呼吸
皆さんが無意識にやっているのは胸式呼吸です。腎臓によいのは腹式呼吸、おなかを膨らませる呼吸です。この辺りは動画を参考にしていただけたらと思います。
性交渉のしすぎはNG
東洋医学の用語ですが、「房事過多を避ける」とあります。性交渉のしすぎをやめましょう、といった意味です。性交渉しすぎると腎臓の機能が落ちます。とくに歴史的には、お酒を飲んでの性交渉はあまりよくないと言われています。
おわりに
本日は、「塩分が腎臓に悪いのか?」という話をしました。科学的にはいろいろな意見があると思いますが、ここではあくまでも東洋医学的な視点にのっとってお話しました。
繰り返しになりますが、東洋医学というのはこの日本国内で1500年の歴史があり、加えて事実の結集なので、この東洋医学の知恵を皆さんの生活に取り入れることこそが健康を保つ大きな秘訣になると思います。