逆子について

逆子

出産を控えた女性はお腹の赤ちゃんの様子や自分の体調に人一倍気を配るものです。そんな中、赤ちゃんが逆子だと言われたら無事に出産できるか不安になってしまうことでしょう。

鍼灸は古くから逆子対策を行っていて、逆子の改善率は90%以上といわれています。

そこで今回は、逆子の改善法を東洋医学の視点から詳しくお話しします。施術は薬も使わず安心なので、ぜひ妊娠中で逆子にお悩みの方は本コラムを参考にしてみてください。

逆子の症状と原因

説明

赤ちゃんは通常、頭は下向きで子宮の入り口付近に接して逆立ちするような格好で子宮のなかにいます。しかし逆子は子宮口に近い部分にお尻や足がきてしまっている状態です。逆子は妊婦さんのうちの約4%に見られ、34週を過ぎても直らなければ80%の確率で逆子のまま出産になるといわれています。

逆子の場合、経膣分娩は不可能ではありませんが、赤ちゃんや母体の安全を考え帝王切開になることがほとんどです。

逆子になる原因は、西洋医学ではまだよくわかってはいません。ただ、子宮筋腫など子宮にトラブルを抱えていると逆子になる可能性がやや高くなるようです。

なぜ逆子に鍼灸が効果的なのか

胎児

逆子と一言でいっても、赤ちゃんや子宮の状態によりさまざまなパターンがあります。赤ちゃんが小さいうちは子宮の中でクルクル動き回りますが、「右回りしやすい」「前転しやすい」などタイプはさまざまです。

ではこのように動き回る赤ちゃんがなぜ正位置(頭が下)に収まるかというと、赤ちゃんは母体の頭寒足熱を感じとれるからです。

頭寒足熱(ずかんそくねつ)

頭寒足熱とは頭が冷えていて足が温かい状態のことで、これで赤ちゃんは上下を判断しているといわれています。しかし母体が冷えると頭がのぼせて足先が冷えてしまうため、赤ちゃんはどちらを上にしていいかわからず逆子になってしまうのです。つまり、東洋医学では逆子の原因は身体の「冷え」にあると考えます。

赤ちゃんに「こちらが足だよ」と教えてあげるには、お灸がカギとなります。足のツボにお灸を施して温め、赤ちゃんを正しい位置に導いてあげるのです。また、回りたいのに子宮が硬いため赤ちゃんが動けず逆子になるパターンもあります。この場合も鍼灸で子宮を柔らかくすることで逆子を改善することができます。

ポイントは五臓の機能向上

小児鍼

鍼灸で冷えや子宮の硬さをほぐすには、五臓の機能向上がキーポイントです。

東洋医学では五臓(肝臓・心臓・脾臓・肺・腎臓)の機能を改善させることで、身体全体のバランスが整い健康を保てるという考えがあります。

五臓へのアプローチは身体の経穴(ツボ)に鍼やお灸で刺激を与える施術が非常に有効です。冷えが強いタイプには腎臓のツボを、筋肉が硬い場合は肝臓のツボをというように、逆子の根本的な原因にアプローチをして赤ちゃんを正しい位置へと戻していきます。

当店の施術について

鍼灸施術

32歳女性のケース

妊娠8ヶ月で逆子に悩み来店されたお客様です。1ヶ月前から逆子と診断されたそうで、首や肩のこり、頭痛や生理痛といった逆子以外の症状も訴えていました。

東洋医学専門の当店が捉える逆子の原因

この方の逆子のケースの場合、子宮が狭い、硬い、冷たいなどの理由から赤ちゃんが自由に動けないことが逆子の原因として考えられました。通常では妊娠後期に入ると赤ちゃんは自分の頭の重みで下向きになるものです。しかし子宮の状態が悪いと自由に赤ちゃんが動けないので頭が上向きのまま大きくなってしまいます。

子宮の冷えは東洋医学では首や肩のこり、頭痛、生理痛などが起因していると考えるため、逆子以外の根本的な原因を改善していくことが大切です。これらはすべて東洋医学では「経絡を流れる気血の鬱滞」と捉え、鍼灸を用いた施術で改善へと導いていきます。

経絡とは全身を縦横無尽に巡るエネルギー(気)や血液、津液(水)が流れる管のことで、その流れが滞ると身体に不調が現れるのです。今回のケースも長時間のデスクワークや運動不足などから気・血・水の流れが滞ったことにより、首や肩のこり、頭痛、生理痛が起きやすい状態になったと考えられます。

東洋医学では鍼とお灸を用いた経絡治療で全体を施術することで、母胎を温め逆子を改善していきます。

妊婦

施術内容

東洋医学では身体にあるツボ(経穴)を用いて五臓(心臓・肺・肝臓・脾臓・腎臓)の機能を向上させる経絡治療という手法があります。なぜ五臓の機能を向上させるかというと、五臓はすべて相互に関連しながら作用しているため、五臓の不調を改善させることで身体全体の調子が整うからです。

経絡治療は鍼やお灸でツボを刺激する施術がメインとなります。経絡の巡りの力のことを東洋医学では「肝の疎泄作用」といい、逆子の改善は肝のツボや経絡を用いて疎泄作用を上げることを第一の目標とします。

このお客様の場合、肝のエネルギー不足と診断されたため、足のツボにまず鍼を接触させ気を補いました。頭痛、肩こりの改善には子午治療で遠隔的に痛みにアプローチします。子午治療とは1日の気血のリズムを現す子午流注を鍼灸に応用させたもののことです。さらにうつ伏せになっていただき、背部の反応がある箇所に鍼を2〜3ミリ刺入していきました。

最後に逆子の特攻穴ともいわれる至陰(しいん)と呼ばれる足の小指の外側にあるツボに米粒大のお灸を7壮すえて、1回目の施術は終了です。2回目以降はお客様のお身体の反応を見ながら、その日の体調に合わせてツボを選び施術を行なっていきました。

自宅でのセルフケアとしてお客様には毎日2回、熱くなるまで至陰穴にお灸もしてもらいました。

逆子のお灸

施術回数とその後の変化

その後、お客様には週に2回、2ヶ月間通っていただくよう指導しました。7回目の施術をした夜にいつもより胎動を激しく感じたそうで、翌日検診に行くと逆子から正常位になっていたとのことです。

出産を終えてから来院されたときは、さらにうれしい報告をいただきました。出産は分娩室に入ってから30分ほどで産まれる超安産で、陣痛も分からないほど痛みを感じなかったそうです。

逆子と合わせて他の不調も改善され、安産で出産できたことを大変喜ばれていました。

逆子のタイプを知って鍼灸で改善を!

育児

逆子は逆子となる原因を改善し、赤ちゃんを正しい位置に戻してあげることが大切です。東洋医学の鍼灸施術は逆子以外にも身体の不調を総体的に改善させるため、安産にもつながります。

逆子でお悩みの方は、お気軽に当店までご相談ください。母体と産まれてくる赤ちゃんのためにも、鍼灸施術で身体を整えましょう。

当店の技術は多くのメディアで紹介されています

スタッフ全員が国家資格を保有しています

当日予約も承っています