線維筋痛症について
全身に痛みが生じる線維筋痛症は、まだ広く一般には知られていない病気のひとつです。医師にさえ十分に認知されていないため、病院に行っても見逃されてしまう可能性もあります。
長引く身体の痛みにお悩みの方は一度、東洋医学の鍼灸施術をおすすめします。
今回は線維筋痛症になぜ鍼灸が効果的なのか、東洋医学の視点からくわしくお話していきます。
線維筋痛症の症状と原因
- 「身体のあちこちが痛んで動けない」
- 「倦怠感が強い」
- 「痛みで睡眠がまばらになってしまう」
このような症状が3ヶ月以上継続している場合、線維筋痛症の可能性があります。
線維筋痛症とは身体のさまざまな部位に痛みが生じる疾患で、特に30~60代の女性に多く発症するのが特徴です。
線維筋痛症の痛み
痛みは最初はある限られた部位だけに起こりますが、次第にその範囲が広がっていく傾向にあります。しかも痛みは下半身や左半身といった身体の表面だけでなく、頸椎や腰椎といった体軸部まで痛むこともあるようです。
痛みの具合は人それぞれですが、中には骨折と同じくらいの痛みを感じる人もいるといわれています。全身の痛みのほか、不眠症や強い不安感などの不定愁訴や、疲労感などが伴うケースも多いようです。
痛みの原因はまだ西洋医学では明らかにされていませんが、脳の誤作動で痛みが増長するのではないかという説が有力となっています。
線維筋痛症の原因
発症の主な誘因のひとつは身体的、精神的なストレスによるものです。もうひとつは几帳面や完璧主義、頑張り屋さんといった性格の人がかかりやすい傾向にあります。
西洋医学(病院)で線維筋痛症を治療するとなると、痛みを軽減するための薬物療法や注射などがメインとなります。しかしこれは場しのぎの治療にしかすぎず、線維筋痛症の根本的な改善には至りません。
こうした原因不明の症状には、東洋医学の施術が非常に有効です。
なぜ線維筋痛症に鍼灸が効果的なのか
東洋医学には「不通即痛、痛即不痛」という病理原則があります。これは気(エネルギー)や血液の通りが悪ければ痛みが生じる、気血の通りがよくなれば痛まなくなる、という意味です。つまり東洋医学では、痛みの原因は気血の巡りの悪さにあると考えます。そのため線維筋痛症の痛みの改善は、この気血の循環をよくすることがポイントとなります。
人間の身体には縦横無尽に「経絡(けいらく)」と呼ばれる気血と水の流れる管があります。何らかの原因でこの経絡の巡りが滞ると痛みが生じるため、東洋医学では経絡と身体の接点であるツボ(経穴)に鍼やお灸で刺激を与えて巡りを改善させる鍼灸施術を行います。
経絡は五臓(肝・心・肺・脾・腎)とつながっているため、巡りを改善させることで合わせて臓腑の不調も改善できるのです。これは痛みの原因を全身から探ってアプローチする東洋医学だからこそなせる業だといえるでしょう。
当店の施術について
30代女性のケース
一年ほど前から、原因不明の痛みに悩まされていた方です。痛みはまるで血管の中をガラスの破片が通っているようにチクチクするそうで、症状が強く出ると仕事も家事も手につかないようでした。
病院では線維筋痛症と診断されましたが、手の施しようがないと言われて当店へいらっしゃいました。全身の痛みのほかに、抑うつや身体のダルさも訴えられています。
東洋医学専門の当店が捉える線維筋痛症の原因
線維筋痛症の痛みは気血の巡りを整えることが大切ということは先にもお話ししましたが、線維筋痛症は身体の痛み以外にもさまざまな症状が現れます。例えばこの方の場合、抑うつなどの精神的な症状も訴えていました。
東洋医学では線維筋痛症のときに現れる精神症状のことを「肝気鬱結」といいます。これは食欲不振や息苦しさ、気分の落ち込み、喉の閉そく感といった症状のことで、精神的なストレスを我慢しすぎて肝の働きに異常が出ている状態です。
ではなぜ肝の働きに異常が生じるかというと、それは肝の疎泄作用(そせつさよう)の低下により滞りができたからだと考えられます。疎泄作用とは全身にくまなく気血を行き渡らせる働きのことで、当店では肝のツボや経絡を使って疎泄作用を向上させることを施術の目標とします。
施術内容
当店では線維筋痛症の症状が出てくる背景となる、根本的な原因を改善させる本治法を用いて施術を行います。
この方は肝のエネルギー不足である肝の虚と診断されたので、まずは足のツボに鍼を接触させて(このときまだ鍼は刺さない)不足を補いました。精神的な症状には頭部にある百会(ひゃくえ)というツボが有効なため、置鍼をします。
次に、指の先から少量の血を出して全身の巡りを良くさせる井穴刺絡(せいけつしらく)を両手に施しました。さらにうつ伏せになっていただき、背部に反応を見ながら2~3ミリ鍼を刺入します。最後に気血の巡りを整える奇経のツボにお灸をして1回目の施術は終了です。
2回目以降は反応を伺いながら、その日の体調に合わせてツボを選んで線維筋痛症の根本的改善を目指します。
施術回数とその後の変化
週に1回のペースで4ヶ月間通われ、18~20回目の施術の頃から内側からチクチクするような痛みがなくなり、たいへん喜ばれていました。
以前のような強い痛みはないものの、まだダルさや抑うつはたまに出るため、現在はそちらの症状をメインに週1回のペースで来店されています。
線維筋痛症を改善されたお客さまとの対談
身体の巡りを鍼灸で改善し、痛みのない生活を!
身体の痛みは目に見える症状ではないため、理解されづらくツライ思いをされているお客様がたくさんいらっしゃいます。病院に通ったり、薬を飲んだりしても治らない慢性的な痛みのある方は、ぜひ東洋医学の鍼灸をお試しください。
当店の施術は身体を内側から整え、痛みの根本的な原因にアプローチして症状を改善へと導きます。身体を内側から元気にさせる鍼灸施術で全身の痛みを解消し、ストレスのない生活を目指しましょう!