頭痛について
頭痛は4人に1人が悩まされるといわれていて、生活に支障を及ぼす場合もありツライもの。「治らないから付き合っていくしかない」と頭痛の改善を諦めてはいませんか?
改善には頭痛のタイプを知ることと、タイプに合わせた正しい対処法が必要です。今回は頭痛が起こるメカニズムとタイプ別の改善法を、東洋医学の視点からお話します。
頭痛の症状と原因
- 「頭にズキンズキンと波打つような痛みがある」
- 「特定の時期だけ頭に激痛が走る」
- 「主に頭の片側だけが痛む」
- 「頭全体がギューっと締めつけられる」
- 「片目の奥がえぐられるように痛い」
頭が痛いといっても、痛みの起こり方やタイプはそれぞれ違います。頭痛は症状により対処法が異なるため、改善にはまず自分の頭痛のタイプを知ることが大切です。
以下の症状をチェックして、自分にあてはまる頭痛のタイプを確認してみましょう。
①片頭痛
脳血管をとりまく三叉神経の影響により、血管が拡張することで起こります。頭が脈を打つように痛むのが症状の特徴で、月に数回ほど発症します。月経前や更年期、ストレスから解放されたタイミングなどに起こりやすい傾向があります。
片頭痛のときは光や音に敏感になったり、体を動かしたりすると症状が悪化するため注意が必要です。
②緊張型頭痛
頭全体を締めつけるような痛みが特徴で、首や肩のコリを伴うことが多いようです。不良姿勢やストレスなどで筋肉や神経が緊張し、血流が悪くなることが原因といわれています。
痛みはほぼ毎日起こり、体を動かすと症状が軽くなるケースが多いです。
③群発頭痛
特定の時期だけに目がえぐられるような激しい頭痛が起こるのが群発頭痛です。
季節の変わり目などに1〜2ヶ月間、毎日のように1日1〜2時間ほど痛みが続く特徴があります。痛むほうの目が充血したり涙が出たりします。
④その他の病気による頭痛
ある日突然、今までに経験したことのないほどの激しい頭痛に襲われたら要注意。
バットで殴られたような激痛ならくも膜下出血、手足の麻痺やろれつが回らない症状が出たら脳腫瘍や脳出血などの病気の可能性があります。命に関わる危険な頭痛のため、早急な医療機関の受診が必要です。
⑤さまざまな要因による頭痛
目や鼻の病気や歯の噛み合わせ不良、うつ病からくる頭痛などさまざまな要因が影響して起こる頭痛もあります。この場合の頭痛は、要因を見極め頭痛の根本原因を改善させることが先決です。
なぜ頭痛に鍼灸が効果的なのか
鍼灸と聞くと、肩こりや腰痛など外科的な疾患を専門に扱うイメージを持たれる方が多いかもしれません。しかし実は内科的な疾患や、目に見えない症状の改善も得意としているのです。
先にもお話ししたように、頭痛はどこがどうやって痛むかによっていくつかのタイプに分類されます。例えば痛み方でいうと「目の奥」「後頭部」「片側のみ」が痛むものや、「イライラしたとき」「天候の影響」「首や肩由来のもの」といったトリガーとなる要因まで人によりさまざまです。
頭痛のタイプにより対処法がそれぞれ異なるため、自分の頭痛がどのタイプなのか正しく理解して対処することが改善の近道となります。東洋医学を専門とする鍼灸施術は、頭痛のタイプを正確に見極めることができるため頭痛の改善に非常に有効なのです。
五臓をチェック
東洋医学では、頭痛のタイプを見極める際に五臓(肝臓・心臓・脾臓・肺・腎臓)がどういう状態なのかをまずチェックします。なぜなら東洋医学では、五臓はすべてつながっていてそれらのバランスが崩れることが不調の根本的な原因と考えているからです。
肝タイプの頭痛、腎タイプの頭痛など頭痛のタイプが判明したら、それぞれに有効なツボを鍼とお灸で刺激する経絡治療(けいらくちりょう)を行います。弱っている五臓の機能を元気にすることで、頭痛を始めとする身体の不調を総体的に改善することができるのです。
実際の施術の流れについては、当店で頭痛の施術を行ったお客様を例にご紹介します。
当店の施術について
30代女性のケース
一年前から原因不明の頭痛が続き、毎日痛くない日はないほどツライ頭痛に悩まされて当店へ来店されました。
病院もいくつか受診し、MRIなどの検査でも異常は見つからなかったそうです。頭痛の症状をおさえるために痛み止めも服用していて、薬の飲みすぎで胃炎も併発されていました。
東洋医学専門の当店が捉える頭痛の原因
東洋医学ではエネルギー(気)や血液の流れが滞っていると痛みが起こるという「不通即痛」という病理原則があります。つまり、頭部を巡る経絡のどこかに気血の滞りができることが痛みの原因なのです。
頭部の経絡の循環をよくするには、肩背部の滞りを改善させ巡りをよくしていきます。
施術内容
肩背部の滞りを東洋医学では、肝の疎泄作用(全身くまなく血液を行き渡らせる働きのこと)の低下と考えます。そのため肝のツボや経絡を用いて疎泄作用を向上させることを施術の目標とします。
まず当店ではお客様の身体の状態を把握するために、東洋医学に古来より伝わるカウンセリング法である四診法(ししんほう)を用いて診断を行います。四診法は脈やお腹を診るなど、病院とは少し異なる診断法です。鍼灸師が五感を駆使して、身体の状態を総体的に判断していきます。
今回のお客様の場合は肝の虚と診断されたため、まずは足のツボに鍼を接触させ(このときはまだ鍼は刺さない)補いました。次に肩背部が障害を受けやすい手の太陽小腸経、足の少陽胆経、手の少陽三焦経のツボ(経穴)に子午治療で遠隔的にアプローチします。子午治療とは1日の気血のリズムを現す子午流注を鍼灸に応用させたもののことです。
さらにうつ伏せになっていただき、肝に関係の深いツボである肝ユや胆ユの反応をみながら鍼を2〜3mm刺入します。最後に気血の巡りを整える奇経にお灸をして1回目の施術は終了です。
2回目以降は反応を伺いながら、その日の体調に合わせツボを選んで頭痛の根本的改善を目指していきました。
施術回数とその後の変化
最初の1ヶ月は週に2回、2ヶ月目以降は週に1回に減らしてお客様の様子をみました。
痛みが強かったため少し時間はかかりましたが、開始2ヶ月頃から痛む頻度が激減して薬の量も減ったため大変喜ばれました。
【動画】東洋医学による頭痛改善法
重度の頭痛を改善された男性との対談
頭痛のタイプを見極め鍼灸施術でアプローチ!
長引く頭痛の症状は、まず自分の頭痛のタイプを知ることが改善への第一歩です。病院や薬を使っても治らない頭痛には、ぜひ東洋医学専門の鍼灸施術をお試しください。
鍼灸で痛みの原因に的確にアプローチし、頭痛のない快適な生活を取り戻しましょう!