パーキンソン病について
- 「急に身体が震えた」
- 「身体を動かしにくくなった」
- 「歩いていて急に止まれなくなった」
初めてこのようなことがあると、どうしたらいいかわからず不安に思う方が多いと思います。検査しているうちに筋肉がこわばって症状が固定され、そこで初めてパーキンソン病と病名がつけられることもしばしばです。
難病にも指定されているパーキンソン病とは一体どんな病気なのか、本記事では症状の特徴や東洋医学的な考え方についてご紹介します。
パーキンソン病が起こるしくみ
大脳には、運動機能に重要な役割を持つ大脳基底核という領域があります。この大脳基底核の機能を調整するのが中脳の黒質です。黒質は運動を行うとき、神経細胞と神経細胞の間で神経伝達物質のドーパミンを放出します。
パーキンソン病はドーパミンを放出する黒質の神経細胞が死滅し、運動動作がうまくできなくなるため身体にさまざまな障害が生じます。発症すると、身体が思うように動かせなくなるのはこのためです。
パーキンソン病の特徴
①身体がこわばり滑らかに動かなくなる
パーキンソン病の特徴的な症状は、筋肉のこわばりや手足が震えることで思うように身体が動かせなくなることです。特に、歩き出しの一歩目がなかなか出せずに足がすくんでしまうという症状がよく見られます。
②仮面をかぶったような表情
人間の顔面にはさまざまな筋肉があり、その筋肉が色々な表情をつくり出します。パーキンソン病は顔の表情筋も動かしづらくなるため、表情が乏しくなって無表情に見えることが多いです。
③手足の震え
パーキンソン病では手足の震えも生じます。震えは何もしていないときに起こるのが特徴で、なにかを掴むときなどは震えが止まります。
④転びやすくなる
バランスを保つことが困難になり、ちょっとした動作でも姿勢が保てず転倒につながってしまいます。
⑤前に突き進むように歩く
前傾姿勢になってしまうため、前につんのめったような歩き方になるのもパーキンソン病の特徴です。頭で思い描いている歩く速度と身体が反応できる速度の間でギャップが生じやすく、突進歩行と呼ばれる前かがみの状態になってしまいます。
前述したように最初の一歩目はなかなか出ませんが、その後は突き進むようになら動くことが可能です。
⑥オン・オフが分かれる
薬を飲み始めると、薬が効いているときと薬の効果がきれたときの違いがはっきりと現れるのも症状のひとつです。
東洋医学的なパーキンソン病に対する考え方と施術法
東洋医学には、人間の臓器を表す「五臓六腑」という言葉があります。そのなかの五臓(肝・心・脾・肺・腎)は、今でいう肝臓、心臓、消化器、呼吸器、腎臓です。
この5つのバランスが取れていると人は健康な状態といえます。しかし、このバランスがくずれるとさまざまな不調や症状が出てきてしまいます。
五臓の中で疏泄(そせつ)をつかさどっているのは肝です。疏泄とは、滞らずに伸びやかにすることを指し、肝には気(エネルギー)の流通を良くする働きがあります。気の流通が良いと、内臓の働きや血液循環が順調に活動するというしくみです。
パーキンソン病はこの肝の疏泄機能がうまくいっておらず、脳まで血液が行き渡りづらくなり、結果さまざまな症状が出てしまうと東洋医学では考えます。そのため、五臓のバランスが整うように循環をよくする施術を行い、パーキンソン病の症状を改善させていきます。
また、パーキンソン病の方はふくらはぎが張って硬くなっていることが多いです。併せて下腿部への循環を良くする施術を行うなど、身体全体の循環を良くしていきます。
おわりに
以上、パーキンソン病の特徴と東洋医学的な考え方についてご説明しました。パーキンソン病は難病指定もされているため、長期的な付き合いが必要な病気です。
東洋医学では、薬に頼らず身体の循環を良くすることでパーキンソン病を改善へと導きます。長引く身体のこわばりや動かしづらさにお悩みの方は、ぜひ東洋医学の鍼灸を選択肢に入れてみてはいかがでしょうか。