ムチウチについて
交通事故などに遭われて首を痛めた場合、不快な症状が長引くムチウチに悩まされる方が多くいらっしゃいます。ムチウチは放っておくと首以外にも症状が出るケースが多いため、早めの適切な対処が大切です。
今回はムチウチがなかなか治らないとお困りの方のために、ムチウチの改善法を東洋医学の視点からお話しします。
ムチウチの症状と原因
- 「首を動かすと痛い」
- 「頭が重だるく頭痛がする」
- 「慢性的な倦怠感が続いている」
- 「吐き気やめまいが起こる」
ムチウチという言葉を誰でも一度は耳にしたことがあると思いますが、実は正式な病名ではありません。ムチウチの正しい名称は頚椎捻挫(けいついねんざ)といい、交通事故などで首に衝撃を受けたときに起こるとされています。
例えば車で後ろから衝突された際に、頭が前後に揺さぶられると背骨がムチをしならせたような状態になります。それにより頚椎周辺の筋肉や靭帯が痛んでしまうことを、わかりやすくムチウチと表現しているのです。
ムチウチは交通事故に遭ってしばらくしてから症状が出る場合や、手のしびれなどの後遺症が残るケースもあります。また、首周辺には太い血管や自律神経、感覚神経といった身体をつかさどる神経がたくさん通っているため、長引くと首以外にも不快な症状が出てくるのも特徴です。
いずれにせよ、ムチウチを長引かせないためにはムチウチの根本の原因を突き止め、的確なアプローチをする必要があります。
なぜムチウチに鍼灸が効果的なのか
交通事故で整形外科を受診した場合、多くはレントゲンなどの画像診断をされるでしょう。その後は首の状態に応じて固定装具をつけて安静にしたり、首を引っ張る器具をつけた牽引治療を進められたりします。痛みが強い場合は痛み止めを処方されることもあります。
しかしムチウチは治療期間が長引く傾向にあり、半年以上かかるケースも珍しくありません。さらに病院の場合、ある程度の治療期間が過ぎるとまだ痛みが残っている状態なのに症状固定といわれ治療を終了させられてしまうのです。
なぜかというとムチウチでめまいがしたり、頭痛が起きたりしても整形外科では首の治療しかしてくれません。そのため頭痛やめまいは内科など、別の医療機関にかからなければならなくなります。身体に起こるさまざまな不調を一箇所で改善できないのは、病院(西洋医学)が身体をパーツで分断して診断するために起こるのです。
東洋医学は身体全体をみる
一方、東洋医学では身体をぶつ切りにして診るようなことはしません。身体はすべて繋がっていると考え、経絡治療(けいらくちりょう)によりムチウチの改善を促します。
経絡治療とは体内を巡るエネルギーや血液の通り道である経絡のメカニズムを利用した施術法です。経穴(ツボ)に鍼やお灸で刺激を与え、ツボと経絡を通して繋がっている臓腑のバランスを整えて不調を改善へ導いていきます。
首が痛いから首だけを診るのではなく根本の原因となる臓腑に働きかけるため、首の痛み以外のムチウチの症状も合わせて改善できるのです。
当店の施術について
施術事例
20年前に交通事故に遭われ、首を強打したことから痛みが続いているお客様です。
ここ10年ほど症状は落ち着いていたものの、1週間前から痛みが強くなられたため来店されました。最近は季節の変わり目や冷えが強くなると、事故当時のような首の痛みとめまいに悩まされていたそうです。
東洋医学専門の当店が捉えるムチウチの原因
東洋医学では同じ首が痛いという症状でも寝違いは「経絡の病」であり、ムチウチは「頚椎捻挫」と考えます。
捻挫は頚椎とそれを支える靭帯が損傷を受けるため、督脈(とくみゃく)や足の太陽膀胱経の障害をきたしやすくなります。そのため、ムチウチの改善はこれらの障害を改善させるのが先決です。
また、ムチウチは捻挫により首やその周りの筋肉などが損傷し、瘀血が生じることで不調が現れます。瘀血とは血の巡りが悪くなり体内の一部に滞って生じる病態のことで、ムチウチの改善にはこの瘀血の適切な処理も重要なポイントとなるのです。
瘀血をなくすには頸部の鬱血を取る必要があり、血液を行き渡らせる働きをよくすることが鬱血改善に繋がります。これを東洋医学では肝の疎泄作用(そせつさよう)といい、肝のツボや経絡を用いて疎泄作用を高めることを施術の目的とします。
施術内容
東洋医学には対症療法で痛む場所を改善させる「標治法」と、ムチウチの痛みの背景となる原因を解消する「本治法」の2つがあります。当店では本治法により根本からムチウチの諸症状を改善へと導いていきます。
お客様の場合は肝がエネルギー不足の状態だったため、足のツボに鍼を触れさせて(鍼は刺さずに)これを補いました。
次に子午流注(エネルギーや血液のリズムを現すもの)を鍼灸に応用させた施術の子午治療を用いて、首の痛みの部位から遠隔的にアプローチをかけていきます。さらに頸部に充血の見られる箇所や筋肉の凝りが強いところには瀉血(血流を良くさせる)治療を施しました。うつ伏せに体勢を変えてもらい、背部の反応があった部分にも鍼を2〜3ミリ刺入しました。
最後に奇経のツボにお灸を施し、1回目の施術は終了です。2回目以降はお客様の体調や状態に合わせてツボを選定し、ムチウチの根本的な改善を目指しました。
施術回数とその後の変化
その後は週に1回、2ヶ月間、当店に通われて施術を行いました。3回目以降からは首の痛みの強さや頻度が少なくなり、大変喜ばれていました。
合計12回の施術でめまいがなくなり、ムチウチはほぼ完治した状態へ。現在は2週間に1回のペースで来店され、お身体のメンテナンスを行っています。
【動画】むち打ちの鍼灸について!
ムチウチは早めの鍼灸施術でスッキリ改善!
ムチウチは症状が軽いからと放置すると、首以外にも症状が広がり痛みが定着しやすくなってしまいます。こうなると病院では治療が長引き、生活に支障が出てしまうこともあるかもしれません。
病院に通っても治らないムチウチの症状にお悩みの方は、ぜひお早めに東洋医学を用いた鍼灸施術をお試しください。当店の鍼灸は身体を内側から整え、ムチウチの根本的改善を目指します。
まずはお気軽に当店までご相談ください!