「東洋医学って何?」西洋医学との違いについて
私たちが病気になると必然的に病院へ行き、適切な治療を受けるでしょう。
病気の治療方針には大きく分けて西洋医学と東洋医学の2種類があります。西洋医学とは大まかには多くの方が医学と聞いてまず思い浮かべるものであり、薬や手術を用いて治療をおこなう方法です。
一方、東洋医学とは西洋医学ほど一般的に認知されておらず、それがどのようなものかさえ具体的にイメージできる方は少ないのではないでしょうか。
今回は東洋医学とはどのようなものなのか、そして西洋医学とはどんな違いがあるのか解説していきますので、ぜひご覧ください。
東洋医学とはどのようなもの?
東洋医学とは、その名のとおり東洋(主に中国)で発達した医学を指します。
西洋医学は表面に見えている病気やケガの治療をおこなうのに対して、東洋医学では病気やケガの根本的な原因が何であるかを突き止め、原因から改善していきます。
根本的な原因を探るために、東洋医学では痛みやかゆみ、腫れなど目に見える症状だけではなく全身の状態をチェックしてから、一人一人に合った治療法を判断します。
病気の種類によっては患部以外の状態が直接的な原因になることもあるため、体から出ているわずかなSOSであっても見逃さず、適切なアプローチをおこないます。
具体的なアプローチ方法は生薬や漢方、鍼やお灸などを用いるのが特徴です。よく耳にする「ツボ」も東洋医学の考え方のひとつであり、ツボと病気は深い関係があると昔から言い伝えられてきました。
東洋医学が考える「健康」
東洋医学には、私たちの健康に欠かせない3つの要素「気・血・水」という考え方があります。それぞれの要素について詳しくご説明します。
気(き)
生命活動を行うために必要なエネルギーで、足りなくなると「気虚」と呼ばれる状態になり、あらゆる病気にかかりやすくなります。
血(けつ)
いわゆる血液のことで、体内をうまく循環することで活気ある健康な体を作り出します。
水(すい)
リンパ液や汗といった血液以外の体液を表し、体内で「水滞」と呼ばれる滞りのある状態になると、むくみやめまいの原因となります。
この「気・血・水」の3つが、滑らかかつ適量で巡っている状況を、東洋医学では「健康」であると考えます。
また、「気・血・水」は、お互いに影響を及ぼし合っていると考えられており、どの要素に異常があっても、全体のバランスが崩れてしまいます。
バランスが崩れると、免疫力が低下して病気にかかりやすくなるため、常に健康でいるためには「気・血・水」のバランスを崩さないことが必要不可欠なのです。
健康と深い関係がある「五臓」
「気・血・水」を体全体にスムーズに巡らせるためには、「五臓」の働きが重要です。
五臓は西洋医学で言う「臓器」ではなく、東洋医学特有の考え方、役割がありますので順番にご説明します。
肝
- 血液の貯蔵を行う
- 自律神経などのコントロールを行う
心
- 血液を循環させる
- 睡眠リズムを調節する
- 心臓に深い関わりを持つ
脾
- 代謝や筋肉への栄養供給を行う
- 消化器系に深い関わりを持つ
肺
- 「気」を全身に巡らせる
- 呼吸器系に深い関わりを持つ
腎
- 成長、発育、生殖、老化に深い関わりを持つ
- 腎臓や膀胱などの泌尿器系に深い関わりを持つ
この五臓が問題なく働いていることと、「気」が充分にあること、この二つの条件をクリアすれば人間は健康な状態を長く保てると言われています。
なぜ病気やケガの原因が緩和されるの?
私たち人間の体には「気」と「血」の通り道である「経絡(けいらく)」が張り巡らされています。
この経絡は一般的に「ツボ」と呼ばれているもので、それぞれ対応した内臓や器官があります。
ツボに鍼やお灸をすることで対応した箇所に対するアプローチとなり、病気やケガが緩和されます。症状によっては複数のツボや患部から遠く離れたツボを刺激することもありますが、適切な鍼灸をすることで相乗効果も期待できます。
また、鍼灸施術は病気を「治す」というよりかは、患者様自身が本来持っている「自然治癒力」を向上させることを目的としています。そのため、西洋医学のように短期間で症状が緩和するのではなく、徐々に症状を感じにくい期間を延ばしていき、最終的に完治を目指します。
鍼灸施術とあわせて生活習慣や食生活を見直すことで、より高い効果を短期間で実感できる可能性もあります。
東洋医学で根本から改善しよう
東洋医学は西洋医学と全く違う考え方、治療方法であるため最初は戸惑われてしまうかもしれません。
東洋はり灸院では患者様が不安に感じないよう、丁寧に説明させていただいておりますので、ご不明点がございましたらどんなことでもご相談ください。