潰瘍性大腸炎について
下痢が続き、トイレに駆け込む回数の増える潰瘍性大腸炎は、難病に指定される病気のひとつです。生活に支障が出るため、少しでもよくなりたくて病院に通ったり服薬されたりする方も多くいらっしゃいます。
しかし薬にはリスクもあるため、身体に優しく潰瘍性大腸炎を改善するには東洋医学の鍼灸施術がおすすめです。
今回は東洋医学の視点から見た潰瘍性大腸炎の原因と、その改善法について詳しく解説していきます。
潰瘍性大腸炎の症状と原因
- 「何日も下痢が続いている」
- 「何度トイレに行ってもスッキリしない」
- 「血便や腹痛に悩まされている」
潰瘍性大腸炎は大腸の粘膜周辺に炎症が起こる病気です。20代で発症することが多い病気ですが、まれに子どもや高齢者にも見られることがあります。
最初は下痢から始まり、やがて便意はあるのに排便できずスッキリしない「しぶり腹」という症状が起こる人も多いでしょう。粘膜が傷つくと少しの刺激でも出血しやすくなるため、血便が起こる場合もあります。
これらの症状がよくなったり、再び悪化したりをくり返すのが潰瘍性大腸炎の特徴です。
潰瘍性大腸炎は近年急激な増加傾向にあり、その背景には食事や生活スタイルの欧米化が影響しているといわれています。研究は数々行われていますが、潰瘍性大腸炎の原因はまだはっきりと特定されていません。
しかし以下の3つの説が有力といわれています。
①自己免疫疾患
本来、人間には自分以外の異物を排除する免疫システムが備わっています。この免疫が発達している臓器が、食べ物などの異物が頻繁に通過する腸管といわれています。
免疫の働きになんらかの異常が生じ、自分の身体である腸管を攻撃してしまう状態が潰瘍性大腸炎であるというのがひとつの説です。
②遺伝的要因
同じ家族のなかで潰瘍性大腸炎になる割合が高くなることが報告されているため、なんらかの遺伝子が関係していることも予測されています。
しかし残念ながら、現代医学において遺伝子の特定はまだされていません。
③環境的要因
潰瘍性大腸炎は欧米に大多数の患者がいる病気とされ、1980年代前半頃までは日本では非常に珍しい病気でした。しかし85年に1万人を超えて以降、日本でも患者数は年々急増しています。
このことから欧米型の食生活や生活スタイル、環境的要因も指摘されつつあります。
なぜ潰瘍性大腸炎に鍼灸が効果的なのか
東洋医学には五行(木・火・土・金・水)の属性と自然界や人体の関連を示す五行色体表というものがあります。この表は身体を五臓(肝・心・脾・肺・腎)に大別して当てはめ、その人の体質を見極めることができるのです。
西洋医学(病院)では原因不明とされる潰瘍性大腸炎ですが、五行色体表からみると潰瘍性大腸炎になる人にはある特徴があることがわかります。それは肺と肝のバランスが崩れているということです。
また、東洋医学では五臓はそれぞれ相互に関連し合って健康な身体を維持していると考えます。そのため、肺や肝の働きが低下すると大腸に影響を及ぼし、潰瘍性大腸炎になりやすい身体になってしまうのです。
さらに、肺や肝の不調は大腸以外にもさまざまな不調をもたらします。例えば肺は五行色体表では『肺ー大腸ー皮膚ー辛いー朝ー咳ー憂ー秋ー声ー気』のような繋がりがあるため、不調を起こすと
- 風邪をひきやすくなる
- 肌が乾燥する
- 朝に症状が現れやすい
- 喉が悪くなりやすい
- 鬱っぽくなる
といった症状が現れやすくなります。
肝の場合『肝ー目ー筋ー春ー爪ー酸ー怒ー呼』という繋がりがあるため、肝の働きが落ちると
- ドライアイや涙目になりやすい
- 腰痛や肩こりが起こる
- 花粉症など春のアレルギーに弱い
- 怒りっぽくなる
などの症状が併発されることが多いです。
これらの五臓の不調には鍼灸施術が非常に有効となります。
わたしたちの身体は経絡というエネルギーや血液の通り道があり、経絡は五臓と繋がっています。この経絡と体表部を結ぶ経穴(ツボ)に鍼やお灸で刺激を与えると、特定の臓腑に起こった不調を改善させることができるのです。
東洋医学ではこうした経絡のメカニズムを利用して鍼灸で潰瘍性大腸炎を改善へと導きます。また、身体はひとつなぎで繋がっているため、潰瘍性大腸炎の施術をすると合わせて先に挙げたような身体の不調も改善されるでしょう。これが森を見て木を治すといわれる東洋医学の大きな強みなのです。
当店の施術について
10代男性のケース
半年ほど前に下痢や腹痛、血便の症状を訴え、病院で潰瘍性大腸炎と診断された方です。来店時は腹痛はほぼなかったものの、薬を服用しても下痢や血便が改善されず治療に限界を感じて他の治療法を探すため当店へ来店されました。
当店では病院の薬を服用しながら施術を受けられました。
東洋医学専門の当店が捉える潰瘍性大腸炎の原因
東洋医学では自然界の現象は月と太陽のように対立した2つの要素に分けられるという「陰陽論」という考えがあります。陰陽論に当てはめると大腸と肺は表裏一体の関係で繋がっていて、肺は陰、大腸は陽に分類されます。これを陰主陽従(陰を先に、陽をあとで)の原則に当てはめ、陰の側にある肺から鍼灸を用いて補っていきます。
一方、肺と肝は相剋関係(一方が強いともう一方は弱まるシーソーのような関係)であるため、肺と肝のバランスを整えることが潰瘍性大腸炎の施術わんのポイントです。
施術内容
潰瘍性大腸炎にはまず、根本の原因を突き止めて改善させていく「本治法」を行います。このお客様は肺がエネルギー不足である「肺の虚」と診断されたため、手のツボに鍼を接触させて補いました(まだ鍼の刺入はしません)。
次に子午治療(1日の気血のリズムを現す子午流注を鍼灸に応用させた施術)で大腸と肺に遠隔的にアプローチをかけていきます。さらにうつ伏せに体勢を変えてもらい、背部の反応部位に2〜3ミリ鍼を刺入しました。合わせて太陽膀胱経である大腸ユや、子午である飛ヨウに置鍼を施します。最後は奇経と特効のツボがあるお腹にお灸をして1回目の施術は終了です。
2回目以降は身体の状態や反応を見ながらツボを選び、潰瘍性大腸炎の根本的な改善を目指しました。
〈施術回数とその後の変化〉
施術は週に1回、4ヶ月間行いました。7、8回通われた頃から形のある便が出るようになり、出血がなくなる日が増えたそうです。施術2ヶ月目からは血便がなくなり、10回ほどあった便の回数が半分にまで落ち着きました。
症状が緩和されてきたため、徐々に薬を減らしながら現在は様子を見ている状態です。
【動画解説】潰瘍性大腸炎について
潰瘍性大腸炎を改善された女性にインタビュー
※効果には個人差がございます
潰瘍性大腸炎を改善された男性にインタビュー
※効果には個人差がございます
くり返す下痢には鍼灸施術で身体の機能向上を!
潰瘍性大腸炎は五臓のバランスを整えることが改善への近道となります。
病院に通ってもなかなか治らない腹痛やくり返す下痢の症状にお悩みの方は、ぜひ当店の鍼灸施術をお試しください。薬を使わない身体に優しい施術で、身体の内側から不調を改善させましょう!