鍼灸師が教える!体がだるい時の対処法 3選
体や心が疲れていると活動エネルギーが低下していきます。そうすると、人と話すことや身体を動かすことなど、あらゆることが億劫になってしまいますよね。
そこで今回は「どうしてそのようなことが起こってしまうのか?」を東洋医学的にご説明します。
エネルギーが低下する原因
東洋医学では気(生命エネルギー)、血(栄養物質)の不足がその活動の低下に関係があります。
疲れはとくに気の働きと深く関係があります。「やる気がでない」「朝の通勤電車での居眠り」「疲れやすい」などの疲れです。
気にまつわる言葉
- 元気
- 気分
- 気がまわる
- 気が乗らない
- 気にする
など「気」にまつわる言葉は身のまわりにたくさんありますよね。実は、疲れの原因はその「気」が影響しているのです。
気は目には見えないのですが、私たちの体を支えるエネルギーだと考えています。しかし、なんらかの原因でその「気」が作りにくい、うまく循環しなくなってしまうことでエネルギー不足(気虚 ききょ)、つまり疲れが出てしまうのです。
内臓の働き
気と血が十分に作られるには脾(消化器系)、肺(呼吸器系)の働きが重要になります。
食べ物を食べるとまず胃や腸で消化されますが、この時に東洋医学的に生命を維持するための気と血に変化すると考えます。それがうまく消化・吸収され全身に循環していくイメージです。
気虚(ききょ)
気虚の場合、とくに脾(消化器系)が正常に働いているかがポイントになります。
気虚になるとどんな症状が出てくるのでしょうか。
- 体力の低下
- 全身倦怠感
- 胃腸の働きがよくない
- 食欲がわかない
などがあげられます。
では、気虚の時はどうしたらいいでしょうか。ご自宅でも簡単にできるセルフケアとして「ツボ押し」「漢方」「入浴法」について解説します。
オススメのツボ 足三里(あしさんり)
まずは消化器の働きを上げ、気虚を和らげてくれる足三里のツボをご紹介します。
ツボの位置
膝のお皿のすぐ下、外側のくぼみに人差し指をおきます。そこから下に向かって指幅を4本そろえて、小指があたっているところが足三里になります。
足三里のツボを「1・2・3」と段階的に強く押していき、「1・2・3」と徐々にはなしていきます。これを4~5回繰り返します。
強く押しすぎると逆効果になってしまうので、痛気持ちいいくらいが目安です。
余裕があれば、ツボを押すときに「息を吐く」、離すときに「息を吸う」ようにして呼吸を意識してみましょう。お灸を据えるとさらに効果的です。
オススメの漢方
補中益気湯(ほちゅうえっきとう)
こちらの漢方はさまざまな症状に効くことから、別名「医王湯(いおうとう)」と言われています。
補中 | 疲れた胃腸を補い強くする |
益気 | 滅入った気をひきたてる |
胃腸の働きを強化し、気を補い、体力を回復させる漢方になります。普段から疲れやすい、食欲ないなどの虚弱体質の方にもオススメしています。
疲れがたまっているときは精神的にもまいっているケースもあります。
落ち込んだりやる気が出ない時、そんな時はそんな自分を認めてあげることも大切です。頑張りすぎたサインなので、少し休んで元気が出てきたらまたボチボチいきましょう。
オススメの入浴法
ストレス解消や気分の落ち込みを防ぎ、活力を回復させたい時は「ぬるめのお湯」にゆっくり浸かるのがオススメです。
38~40度が心身ともにリラックスできる温度になりますのでぜひお試しください。
まとめ
ストレス社会の現代において不安やストレス、緊張状態が疲れをためやすくしているといえます。心が疲れると活動のエネルギーも低下し、生活の質も下がってしまいますよね。
疲れは体が「頑張りすぎた」と発しているサインになるので無視せずに、今回ご紹介したツボ押しや漢方、入浴法を試してみてください。きっといい効果が得られますよ。
東洋医学では気虚(ききょ)に対するアプローチはたくさんありますので、得意な症状の一つだと思っています。ぜひ、心の健康をキープするためにも東洋医学を選択肢の一つに入れてみてはいかがでしょうか。