呑気症に効果的な3つの対処法

- update更新日 : 2022年10月05日
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呑気症

おならげっぷは生理現象のひとつですが、回数が増えれば日常生活にも支障をきたしてしまいます。このように、おならやげっぷが止まらない、回数が多いというのは呑気症の症状のひとつです。

呑気症は別名「空気嚥下症」とも呼ばれ、つばと一緒に空気を飲み込んでしまう症状のことをいいます。呑気症はおならやげっぷが増えるほか、胃酸が逆流することで嘔吐してしまうのも特徴です。

原因の多くはストレスが関係しているとされる呑気症ですが、実は日常生活の何気ない習慣やクセが症状を悪化させてしまうことがあります。そこで今回は、東洋医学の視点から呑気症の対処法や効果的なツボについてご紹介させていただきます。

げっぷやおならが出るしくみ

げっぷ

まずは、どうしてげっぷやおならが出るのかを解説していきます。そもそもげっぷとは、胃や食道から口に向けて空気が逆流することです。人は呼吸しているときや食事、会話のときに無意識に空気を飲み込んでいます

それが逆流して上に行くとげっぷになり、逆流せずそのまま下に行って大腸まで運ばれるとおならになるしくみです。そのため、げっぷが止まらなかったり多いと感じたりする方は、なんらかの原因で飲み込んだ空気が上に行ってしまっている状態だと考えられます。

呑気症改善のカギは胃腸にあり

内臓疾患

では、どうして空気が上の方に行ってしまい、げっぷが出すぎてしまうのでしょうか?それは東洋医学的に考えると、胃腸の弱りが関係しています。

東洋医学では、胃から小腸、大腸へと食べたものを下へ流す力を降濁(こうだく)作用といいます。この作用が何らかの原因で弱くなってしまうと下におろせなくなるため、上にせり上がる状態になるのです。そのため、胃腸の機能を改善し、この降濁作用を高めていくことが施術のポイントとなります。

東洋医学の鍼灸で胃腸の機能は改善されますが、なかなか鍼灸院に通うのが難しいという方もいらっしゃいます。そんなあなたには、胃腸の力を自分で高めるセルフケア法がオススメです。もし現在、呑気症の症状にお困りの方がいらっしゃいましたら、日常の習慣やクセに改善のヒントが隠されていますので、ここでいくつかご紹介させていただきます。

今回ご紹介する方法はすべて、実際に当店にいらっしゃるお客様が実践されて効果を感じたものばかりです。どれも簡単にできる方法ですので、ぜひご自宅でお試しください。

東洋医学的な呑気症への対処法3選

鍼灸師

呑気症の方の場合、日常において次の3点に気をつけて生活すると症状に改善が見られます。

  1. 口呼吸
  2. 早食い、食べすぎ
  3. 歯のかみしめ

それではひとつずつ、東洋医学の視点から気をつけるべきポイントを見ていきましょう。

①口呼吸をやめる

呼吸

呑気症の方の多くは、口呼吸なのが特徴です。口呼吸だと舌の筋力が低下するため、舌の動きを最大限に活かせず、食べ物をそのままのどの奥に送り込むことになります。そうなると食べ物を飲み込む際に、一緒に空気まで送り込んでしまうのです。

一方、鼻呼吸の場合は、つばを飲み込むときに舌を上あごに押しつけて、のどの方へと送り込みます。この舌の動きは、空気を飲み込む量を減らすためにも必要となります。

つまり、鼻呼吸は生物学的にも物理学的にも、空気を飲み込む量を減らすことができる呼吸法なのです。日頃から鼻呼吸を意識して生活することが、呑気症の症状緩和へとつながります。

②噛む回数を意識する

噛む

食事の早食べや食べすぎは、胃腸の負担につながります。早食べや食べすぎてしまう方は、噛む回数が少ない方が非常に多いです。

噛む回数が少ないと降濁作用が弱くなるため、胃腸の機能低下にもつながります。また、噛む回数が少ない分、空気を一緒に飲み込んでしまうことが多くなるため、その点でも注意が必要です。

早食べや食べすぎの対策は、やはりしっかり意識して噛むことがいちばんです。よく噛むことで一緒に飲み込んでしまう空気の量も減るので、普段から食べるのが早い方は時間をかけて食べることを意識してみましょう。ほかにも、日頃の食生活を見直し、腹八分目にして食べ過ぎないことも大切です。

また、東洋医学では黄色い食べ物が胃腸の働きを高めるとされているため、以下の食材を積極的に摂るのも良いかもしれません。

  • サツマイモ
  • かぼちゃ
  • はちみつなど

また、食後に眠くなったり、身体が重くなったりするのは食べすぎのサインです。そんなときは、降濁作用を高めるツボを刺激して身体を整えましょう。

降濁作用を高めるには、お腹にある中脘(ちゅうかん)というツボをオススメします。軽くマッサージしたり、お灸やカイロで温めたりすると効果的です。 

③食いしばりをしない

食いしばり

無意識のうちに歯を噛みしめてしまう食いしばりが起こると、つばを飲み込む回数が増えてしまう方がいらっしゃいます。つばを飲み込む回数が増えると空気を飲み込む回数も増えてしまうため、歯の食いしばりのクセがある方で呑気症の症状が当てはまる方は注意が必要です。歯を強く噛みしめてしまう方は、ストレスが強く関係していることが多いので、リラックスできる時間を増やすようにしましょう。

歯の噛みしめや食いしばりは、ストレスを上手に発散させてあげることが大切です。散歩などの気分転換や趣味の時間を多くするなどして、ストレスを溜め込まないようにしましょう。また、夜更かしをなるべくしないようにし、疲れを溜めすぎないことも重要です。

以上のように、日頃のさりげない習慣やクセが呑気症の原因につながっていることがままあります。どの対処法も日常生活で取り入れやすく、意識して改善できるものですので、ぜひ参考にしてみてください。

おわりに

前述した通り、吞気症は胃腸の働きの低下により起こる病気です。降濁作用を高めることで改善が見られますので、東洋医学の適応範囲の疾患だと考えられます。

東洋医学では、辛いげっぷやおならなどの症状だけをみるのではなく、身体全体をみてどうしてそのような症状が出ているのかを考えて施術するのが得意です。もちろん、先にお伝えしたように日常生活で無意識にしてしまっているクセや習慣食生活なども深く関係しているので、そちらも合わせてアドバイスさせていただきます。

こうした呑気症の症状でお困りの方は、ぜひ東洋医学を改善の選択肢として増やしてみてはいかがでしょうか?最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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吉澤先生