東洋医学の観点から見た顔の症状 3選
顔を洗う時やメイクをする時など、毎日何回か鏡を見る機会があるのではないでしょうか。自分の顔をまじまじと見てみるとニキビがあったり、赤くなっていたり、その日によって顔の状態は違うと思います。
実はその小さな変化こそが、あなたの体の異常を教えてくれる重要なサインであることをご存知でしょうか。自分の体と真剣に向き合っているつもりでも、事細かに状態をチェックするのは意外にも難しいものです。
しかし、鏡で顔を見れば自分の健康状態が分かるとなればどうでしょう?日々の生活の中で取り入れられる習慣にすることが可能なのではないでしょうか。
こちらでは東洋医学の観点から、顔に出ている症状と体の状態について詳しくご説明していきます。
顔と体の関係と経絡(けいらく)について
人によって鏡で顔を見る頻度やタイミングは異なると思いますが、東洋医学では顔は体内の状態を表すと考えられています。
- 顔色が変化している位置
- 吹き出物の位置
- 眼と眉毛の間の色
この3つが特に体の状態と大きく関係があるため、鏡で顔をチェックする際には特によく見ておくとご自身の健康状態を把握することができます。
ここからは特に注意したい3種類の顔の症状をご紹介しますので、当てはまる方は「体内に何かしらの不調が起こっている」と考えて、適切なケアをおこなう必要があります。
経絡とは?
実際の症状について解説する前に、まずは東洋医学の考え方の要となっている「経絡」についてご説明します。
経絡とは、私たちの体を構成するのに必要不可欠な「水・血・気」の通り道です。
経絡と体の表面をつなぐ点が経穴(ツボ)であり、電車で例えるなら、経穴が「駅」で経絡が「線路」というイメージが分かりやすいでしょうか。
また、東洋医学には五行思想というものがあり、「木・火・土・金・水」という分類に分けられ、それぞれの五行に体内の臓器を当てはまります。
経絡が滞りなく、また溢れすぎていない、バランスを保てている状態を「健康である」と考え、これらのプラスマイナスを鍼灸で「ゼロ」にするのが東洋医学の方針です。
注意したい顔の症状
顔の症状の中でも特に注意したいものがいくつかありますので、詳しく見ていきましょう。
顔色の変化の位置
顔のどの部分が変色しているかによって、体のどこに不調があるかを見つけることができます。
左頬→肝臓の経絡が弱っている
左頬が変色していると肝臓の経絡が弱っていると考えられ、イライラしやすくなります。
気の巡りが滞っていても、逆に溢れていてもバランスが崩れてしまい、目の疲れや筋肉などにも影響があると考えられています。
額→心臓の経絡が弱っている
額が変色していると心臓の経絡が弱っていると考えられます。
心臓の経絡は感情の中でも「喜び」に関係があり、五感の感覚および意識活動に関係すると考えられています。
心臓の経絡が滞ると呂律が回りにくくなったり、精神的な症状が現れます。
鼻先→脾の経絡が弱っている
鼻先が変色していると脾の経絡が弱っていると考えられます。
脾は気を体内に運んだり、栄養を届けるなど重要な役割を果たしますが、機能が低下すると些細な事が気になりすぎてしまい、胃もたれや胸やけなど消化器系の症状が現れます。
右頬→肺の経絡が弱っている
右頬が変色していると肺の経絡が弱っていると考えられ、悲しみを強く感じやすくなります。
肺は皮膚の防衛能力を高める役割を担っており、機能が低下すると悲しみを体の内側に溜め込んでうまく排出できなくなってしまいます。
その結果、精神的な症状のほか皮膚の乾燥といった症状も現れます。
下顎→腎の経絡が弱っている
下顎が変色していると腎の経絡が弱っていると考えられ、物事を極端に恐れやすくなります。
腎は脳や骨との関係が深く、機能が低下すると腰痛や耳鳴りの症状を引き起こすことがあります。
目と眉の間の色
目と眉の間の色によって、体内がどのような状態なのか、気がきちんと巡っているのかを知ることができます。
- 青色→肝
- 赤色→心
- 黄色→脾
- 白色→肺
- 黒色→腎
健康な方は他の肌の色と同じ綺麗な肌色なので、少しでも「いつもと違う色だな?」と思ったら、体からのSOSを疑いましょう。
吹き出物や乾燥肌
経絡の異常をハッキリと示してくれるのが「吹き出物(にきび)」や「乾燥肌」です。
これらが起こる原因は経絡が滞っている(マイナス)もしくは溢れている(プラス)の状態であると考えられているため、プラスマイナスゼロに整える必要があります。
例えば乾燥肌の場合は気の量が足りていない、もしくは経絡が滞ってしまっている状態を表しています。
経絡治療で体質改善を
あらゆる不快な症状の原因は、一人一人がもつ「体質」にあるというのが洋々医学の考え方であり、この体質を改善するのが経絡治療です。
経絡治療では西洋医学とは異なり、目に見える症状、現在現れている症状だけに目を向けるのではなく、体全体に向き合います。
いわゆる「森を見て木を治す」という指針であり、効果がない施術をダラダラと続けることは一切ありません。
病院に行っても改善しなかった症状が、鍼灸に通っているうちにどんどん改善していったという事例はとても多くあります。痛みや熱さがまったくない施術ですので、初めての方も安心して東洋はり灸院へお越しください。
顔の症状を改善して快適な毎日を目指そう
「顔は内臓の鏡」です。顔に出ている症状を見て体内で起こっている不調を根本から見極め、改善に導いていくのが東洋医学です。
顔色や吹き出物などは内臓の疲れや機能低下のサインなので、生活習慣を整えるとともに、鍼灸でぜひ体質改善を体験してみてください。