夜、何度も目が覚める?夜間中途覚醒について
「眠れない」という症状の中には、入眠しづらい入眠障害、異様に朝早く目が覚めてしまう早朝覚醒、そして夜中に何度も目を覚ましてしまう夜間中途覚醒の3種類あるといわれています。
これが1年に数度のようなときどき程度なら誰にでも考えられることですが、この眠れない症状が数週間から1カ月以上も続いているとさすがに心配ですよね。
今回は夜間中途覚醒について、東洋医学の観点からお話します。
眠りが浅い理由
夜間中途覚醒と深い関わりがあるのが「気虚(ききょ)」という言葉です。
気虚は東洋医学独特の概念です。気が虚しい(むなしい)と書いており、「気が不足し元気がない状態」のことをいいます。
- 毎日ダラダラと過ごしてしまう
- なんだか気分がさっぱりしない
- 日中も眠たい
- やる気がどこかへ行ってしまった
そんな気分のときは、この気虚に陥っている状態。こういう状態のときは、夜も眠りが浅く、寝入ってからも何度も目が覚めてしまう症状が現れます。当然寝不足になり、翌日はそんな眠たさも加わってより気が弱ってしまう悪循環にはまってしまいます。
実はこの「気」というのは呼吸器系の臓器と深く関係のある要素です。つまり眠りが浅い原因は、肺などの呼吸器系の臓器が弱っていて、気虚が起きている状態であると考えられています。
東洋医学が夜間中途覚醒にいい理由
「夜間中途覚醒で病院に行っても、なかなかよくならない」という方でも、東洋医学の施術で改善されるケースは数多く見られます。
薬で症状を抑える西洋医学に対し、東洋医学の施術で使用するのは鍼やお灸ですが、鍼灸師は施術を行う前に、施術を受けられる方の体の状態を丁寧にカウンセリングします。すると、眠りが浅い以外にもさまざまな不調を抱えていらっしゃることがわかります。
たとえば、
- 咳が出る
- 腰痛、肩こり、首の痛み
- 末端が冷えている
- 鼻炎、蓄膿
- 便秘や下痢
- 肌が荒れている
- 秋に体調が崩れやすい など
こうした症状は一見すると眠りの浅さとは関係のない不調のように見えますが、実はすべて呼吸器系が弱っていると起こる症状です。東洋医学ではこれらの原因を総合的に判断し、すべての原因のもとである気虚、呼吸器系の臓器の機能改善を促すために施術を行っていきます。
眠りの浅さの他に感じていた不調もよくなれば、相乗効果で健康な状態を取り戻してくれます。1つの症状だけにとらわれず、大もとの原因から改善していく東洋医学だからこそできることなのです。
なぜ西洋医学ではよくならないのか?
病院へ行ってもよくならず東洋医学の施術を受けるとよくなった、そんな方がいるというお話をしましたが、なぜ病院では症状がよくならなかったのでしょうか。
よくいわれることですが、病院(西洋医学)は「木を見て森を見ない医学」です。眠りが浅いと訴えると眠りがよくなる薬を処方して、様子をみるのが一般的な病院の対応でしょう。
ところが原因をなくすわけではないので、薬を止めれば症状は再発する可能性が高まります。それで悩まれて私たちのところへいらっしゃるわけです。薬を処方されて改善された方は、自力で気虚から脱した、もしくは状況の変化で自然治癒できた幸運なケースといえるでしょう。
薬はリスクも考えて
ところで病院で処方される薬について、安易に考えるのはよくないです。眠りが浅い悩みでみてもらうのはおそらく心療内科ですが、そこで処方されるのはたいていの場合、睡眠薬です。
睡眠薬は体を強制的に入眠させるものなので、体や脳への負担が懸念されます。実際に朝起きてもぼーっとしたり、体がふらついたり、認知症のリスクも高まるようです。また睡眠薬を数種類使い続けても眠れなくなると、精神的なよりどころがなくなりより症状が悪化することも。
夜間中途覚醒でよく併発する鼻炎や咳き込みといった症状も病院へ行くと、またそれに合わせた薬を処方され、いつの間にか薬漬けの日々を送ることになってしまいます。これではかえって体に悪影響ですので、薬に頼らず、まずは自身の体を強く健康的な状態に戻すほうが賢明です。
慢性的な不眠は東洋医学で根本改善を目指そう!
薬を飲んでもよくならない、そんな不眠を抱えて日常を過ごすのはツライことです。
- 薬を飲む
- または増やす
- 違う病院へ行ってみる
そんな行動の前に、一度ぜひ当店にご相談ください。